ボーア(ニールス・ボーア)、原子が「テレポーテーション」することを発見(1913年)

原子スペクトルという「奇妙な謎」
水素やヘリウムなどの原子は、
エネルギーを与えると光を出します。
その光をプリズムで分解すると、
虹のように連続して光が出るのではなく、
▶ 特定の色の線だけがピンポイントに現れる
これが「原子スペクトル」。
水素なら水素特有の線の並び方があります。
これは、
「なぜ原子は決まった色しか出せないのか?」
という大問題でした。
古典物理では説明できなかったのです。
ボーアの天才的な発想ー「電子は好きな場所にいられない」
ボーアはこう考えました。
✔︎ 電子は連続的な軌道を動き回れるわけではない
(円軌道を自由に走れるわけではない)
✔︎ 電子は特定の軌道にしか存在できない
「量子化された軌道」とはどういうこと?
通常の感覚では、
✔︎ 電子は核の周りをどこでも自由に回れる
→ エネルギーはいくらでも滑らかに変えられる
と考えがち。
でもボーアは、これを完全に否定します。
軌道上のエネルギーしか存在できない
電子の「軌道=エネルギー」はまるで太陽系のようになっていて、
•第1 軌道(低いエネルギー)
• 第2軌道
• 第3軌道(高いエネルギー)
という決まった軌道にしか存在できない。
そして、
軌道と軌道の「間」には存在できない(軌道のない中途半端な場所には存在できない)。
これが「量子化された軌道」です。

電子の「飛び移り」で光が発生
ここがボーアの原子模型の核心です。
電子が、
• 下の軌道 → 上の軌道にジャンプするとき
→ 外部からエネルギーを吸収(光を吸う)
• 上の軌道→ 下の軌道にジャンプするとき
→ エネルギーを放出(光を出す)
まさに、
▶ 電子はジャンプするときだけ光を扱う
という自然のルールがあるのです。
そして発生する光の色(周波数)は、
飛び移った軌道同士のエネルギー差で決まる
これは数学的にピタリと一致し、
水素のスペクトルを完全に説明しました。
電子は突如として消え、突如として出現する!
古典物理学では、
✔︎ なめらかに軌道が変わる
✔︎ 連続的にエネルギーが変わる
✔︎ 途中の全部の位置に存在できる
と考えていたのに、
現実の電子は、
• スパッと突然ジャンプする
• 間の状態は存在しない
• 一瞬で別の軌道に移動する
• その瞬間に光が吸収・放出される
という、完全に「常識外れ」の動きをする。
一瞬でテレポーテーションするのです。
この発見が世界に与えた衝撃
ボーアのモデルは、
「原子内部は滑らかな世界ではなく、
飛び飛びでジャンプする量子の世界だ」
と証明した最初の理論です。
これは
✔︎ 古典力学の崩壊
✔︎ 新しい量子の世界の誕生
✔︎ 物質の構造が確率的・飛び飛びであることの証拠
✔︎ 電子は点ではなくエネルギー状態の集合であるというヒント
などを一気に示しました。
ボーアは、水素原子の電子が
連続的に動くのではなく、
「決まった軌道の間をジャンプ(テレポーテーション)する」ことを発見し、
原子が特定の色の光しか出さない理由を解き明かしたのです。
これにより、量子力学の時代が本格的にスタートします。


