ラプラスの悪魔ー私たちの未来はすでに決まっているのか?

ラプラスの悪魔(Laplace’s Demon) は、物理学の決定論を象徴する最も有名な思想実験です。
これは単なる比喩ですが、古典物理学が描いた完全に予測可能な宇宙を極限まで突き詰めたモデルです。
ラプラスの悪魔とは?
1814年、数学者ピエール=シモン・ラプラスが提唱した仮説。
【ラプラスの悪魔の定義】
もし、宇宙に存在するすべての粒子の位置と運動量を完全に知り、
それを計算できる知性がいれば・・・
過去も未来も完全に予測できる。
宇宙は100%決まっている。
この全知全能の計算者を、後の学者たちが
「ラプラスの悪魔」
と呼ぶようになりました。
なぜ「未来はすでに決まっている」と言えるのか?
古典物理(ニュートン力学)は、
• 物体に働く力
• 初期の位置
• 初期の速度
が完全にわかるなら、
次の瞬間の運動を完全に計算できる
という構造を持っていました。
惑星の軌道も、投げたボールの軌跡も、
理論上は誤差ゼロで計算できる。
→ これを極限まで拡張すると、
宇宙全体の未来まで計算できることになります。
ラプラスの悪魔が成立する世界の特徴
① 宇宙は時計仕掛け
すべてが法則的で、例外がない。
② 自由意志の余地がない
あなたの決断も、あなたがこの文章を読んでいることも、
すべて「初期条件の結果」。
③ 確率・偶然という概念は存在しない
サイコロの目すら、完全に決まっている。
ラプラスの悪魔は「量子力学」で崩れていく
20世紀に量子力学が登場すると、
ラプラスの悪魔の前提が成立しなくなりました。
1. 不確定性原理
粒子の「位置」と「運動量」は同時に正確には知れない。
→ そもそも悪魔でも初期条件を完全には知れない。
2. 量子のふるまいは確率的
どの経路を通るかさえ、確率でしか決まらない。
3. 観測すると状態が「決まる」
観測前は重ね合わせ状態。
→ 量子の世界は「確率でしか未来が決まらない」。
多世界解釈は別の形のラプラス的決定論
エヴェレットの多世界解釈は次のように言います:
量子が確率で決まるのではなく、
すべての結果が宇宙の分岐として同時に存在する。
この場合、
• 宇宙全体はシュレーディンガー方程式で決定論的
• しかし観測者には確率的に見える
という「二層構造」になっており、
ラプラスの悪魔を部分的に復活させた理論
といわれます。
現代物理学が下した結論
今の学問的コンセンサスは
ラプラスの悪魔のような完全決定論的宇宙観は成立しない。
(不確定性原理・量子ゆらぎのため)
しかし一方で、
大きなスケールでは決定論的に見える。
(古典力学がよく当たるのはそのため)
つまり
• ミクロ → 非決定論(量子的・確率的)
• マクロ → 決定論的に「見える」
という二重構造になりました。
TimeWaver・情報フィールドとの関係
ラプラスの悪魔という思想は
• 「世界は完全に決まっている」
• 「すべては情報である」
• 「初期条件を知れば未来は読み取れる」
という発想を生みました。
これは 情報フィールド的な視点の前身 ともいえます。
ただし量子の非決定性は、
情報フィールドは固定された未来ではなく
「可能性の場」を読み取っている
というTimeWaver的解釈と同じだと言えます。

